民事信託の相談・職場のハラスメント相談
●行政書士と民事信託支援業務
●パワハラ・セクハラ等のハラスメント関する最近図書の紹介
●実録パワハラ・不当解雇との闘い
●レジュメ「職場のパワハラに負けない!」
●事業場外みなし労働時間制が適用される要件
情報 服部善一事務所
●行政書士と民事信託支援業務
行政書士の主な役割は「制度設計のコンサルティング」と「契約書の作成」、そして「実行後のサポート」にあります。
どの士業が良いというわけではなく、将来家族間で争いになりそうであれば弁護士に、不動産があれば信託登記が必要となるため司法書士に、税務上の問題がありそうな信託契約の場合は税理士に、そのような問題が無ければ契約書作成ができる行政書士にというように状況に応じて依頼すれば良いと思います。
もちろん、いろいろな士業の方が協力して信託契約を支援することもできます。
何よりも、信頼して託すことのできる士業の先生にお願いすることです。
1. 認知症による資産凍結対策(親から子への信託)
最も一般的なケースです。親の判断能力が低下すると、銀行口座が凍結されたり、自宅の売却ができなくなったりします。
相談内容: 「父が認知症になった後も、父の預金から介護費用を出し、必要に応じて実家を売却して老人ホームの入居費用に充てたい」
行政書士の業務:
・信託組成: 父(委託者)、子(受託者)、父(受益者)とする信託契約を設計。
・書類作成: 公正証書による「民事信託契約書」の起案。
・金融機関調整: 信託口口座(管理専用の口座)開設のための銀行との事前協議。
2. 「親なき後」問題(障がいを持つ子の生活支援)
障がいを持つお子さんがいる親御さんが、自分たちの死後や介護が必要になった後の子の生活を守るために活用します。
相談内容: 「自分たちが亡くなった後、障がいのある子の生活費を誰がどう管理していくか不安。一気に相続させると子が管理できない可能性がある」
行政書士の業務:
・段階的給付の設計: 信頼できる親族や専門家を信託監督人(見守り役)に据え、毎月一定額を子の生活費として給付する仕組みを構築。
・予備的受託者の設定: 最初の受託者が高齢になった際の「第2受託者」をあらかじめ指定しておく実務的なアドバイス。
3. 事業承継(議決権の集約と移転)
中小企業のオーナー社長が、次期後継者に経営権をスムーズに引き継ぐために利用します。
相談内容: 「自社株を息子に譲りたいが、まだ経験不足なので経営判断(議決権)は自分が持ち続けたい。一方で、財産価値(配当など)は早めに息子へ移したい」
行政書士の業務:
・指図権の設定: 株式を信託財産とし、息子を受託者とするが、重要な決定については父が「指図」を行う権限を持つよう契約を設計。
・定款との整合性チェック: 会社の定款と信託契約の内容に矛盾がないかを確認。
行政書士に依頼するメリット
・複雑な信託契約書の作成を一任でき、法的な専門知識を要する手間を省けます。
・他の専門家に比べて、費用が安いと言われています。
・かきつばた民事信託振興会のメンバーは、金融機関や公証人との事前調整や連絡等のサポートを親身になって行うことをモットーとしています。
報酬の目安
信託契約書の作成料は10〜15万円(税別)が相場といわれています。公正証書にする場合は別途5〜6万円程度、信託口口座を開設する場合も別途5〜6万円程度が加算されます。
以上は行政書士の報酬だけのことで、他に公正証書を作成するための公証人の手数料、不動産があれば登録免許税と司法書士への報酬、銀行口座開設手数料(例えば、十六銀行は11万円)がかかります。
(参考)
三重県津市にある百五銀行の場合は、口座開設料55000円、口座の管理手数料が年間66000円、信託契約書の審査に33000円掛かかるそうです。それぞれ特徴あるサービスによって手数料は決められていることと思いますので、自分に合った金融機関を少ない中から探し出すことも大事なことです。
他の専門家との連携
なお、行政書士は登記申請ができないため、不動産を含む信託では司法書士との連携が必要となります。また、税務面では税理士がサポートすることもあります。
(一部AIの回答を含む)
民事信託とは何か
「銀行口座凍結対策としての家族信託」の講演
●パワハラ・セクハラ等のハラスメントに関する図書の紹介
@『ハラスメント裁判例77』
君島護男著 労働調査会 2020年12月20日発行
A『[改訂増補]パワハラ・セクハラ・マタハラ相談はこうして話を聴く』
野原蓉子著 経団連出版 2020年7月31日発行
B『ハラスメント防止の基本と実務』
石嵜信憲編著 中央経済社 2020年7月25日発行
C『パワハラ・セクハラ 裁判所の判断がスグ分かる本』
中野公義著 日本法令 2020年6月20日発行
D『ハラスメント研修設計・実践ハンドブック』
加藤貴之著 日本法令 2020年6月20日発行
E『第3版職場のパワハラ セクハラ メンタルヘルス』
水谷英夫著 日本加除出版 2018年6月28日発行
F『セクハラ・パワハラは解決できる!』
神坪浩喜著 労働調査会 2016年11月1日発行
G『パワハラ解決と管理者研修ドリル』
小原 新著 経営書院 2014年10月14日発行
パワハラ・不当解雇との闘いを記録した本として、次の2冊をご紹介します。
パワハラを我慢すればするほど相手方は図に乗ってくるということがよく分かります。早めの対処が必要です。是非読んでください。
『パワハラ 不当解雇』 尊厳を回復し、解雇を高くつかせる闘い方
高橋秀直著 旬報社 2018年11月30日発行
青森県弘前市での闘いの記録です。著者は弘前大学名誉教授です。
『パワハラ地獄敢闘記』 私はこうして上司のイジメと闘った
原田芳裕著 日本評論社 2013年6月15日発行
名古屋市での闘いの記録です。著者は出版当時名古屋北部成年ユニオンの書記長をされていた方です。
セクハラとの闘いについては、下記の本を推薦します。
『セクハラ・サバイバル』わたしは一人じゃなかった
佐藤かおり著 三一書房 2019年3月5日発行
北海道函館市での闘いの記録です。著者は出版当時女性と人権全国ネットワーク共同代表、パープル・ユニオン執行委員長をされていた方です。
今ほど、たくさんの人が職場でのパワハラに困っている時代はありません。
最近は、パワハラについての多くの書物が出ていますが、自分一人で読み終えるには、結構大変なことです。
そこで、困っている方の一助になればと思い、パワハラへの対応についてまとめたレジュメ「職場のパワハラに負けない!」を無料で提供することにいたしました。このレジュメで勉強して、パワハラに負けないでください。
|
使用者は就業場所が事業場外であるとしても、原則として労働時間把握義務(労働基準法108条)を免れない。
使用者は労働時間を把握する方法として、平成13年4月6日労働基準局長通達第339号「労働時間の適正な把握のための使用者が講ずべき措置に関する基準」は、「使用者は労働時間を適正に管理するため、労働者の日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること」とされ、その方法として原則として「ア使用者が、自ら現認し、記録すること。イタイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。」としている。
労働基準法第38条の2第1項のみなし労働時間制が適用される「労働時間を算定し難いとき」とは、労働時間把握基準が原則とする前記ア及びイの方法により労働時間を確認できない場合を指すものといえる。
イのタイムカードによる記録方法は通常合理的な方法といわれているものであり、その記録を否定して、「労働時間を算定し難いとき」というためには、使用者が正確な労働時間を把握・算定できないと認識するだけでは足りず、就労実態等を踏まえて社会通念に従って判断して、使用者の具体的指揮監督が及ばないと評価され、客観的にみて労働時間を把握することが困難であるといえることが必要である。
令和6年4月16日最高裁判決(協同組合グローブ事件)
始業・終業時間及びその就労実態について使用者が正確に把握できるかどうかについては、顧客に確認できるとか、上司が携帯電話で確認できる等の話だけでなく、現実的にそのような手段が可能であるかどうかを個々の事例ごとの具体的事情に的確に着目した上で判断される必要がある。